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炭火を燃やしながら人ごみをかき分けて [カテキンの力]

列車が走り始めて2時間ぐらいしてからでしたか、外はすっかりと宵闇に紛れていました。息苦しさにこの熱気です。くっ付いた肌は汗でびっちょり、私は朦朧として天井を見つめていました。向こうから「チャーイ、チャーイ」と言う声が聞こえてきます。隣の人がポケットから1ルピーを取り出しました。お茶だな、それは分かるのですが、この混雑ですよ。どうやって進んでいるのでしょう。声がどんどん近付いてきて、手前の人の向こうで何かやっているのです。そしてこのボックスにも体をねじ込んできました。何とブリキの円筒がポットのようになっていて、下の部分には炭火が真っ赤に燃えているのです。ああー、それでアチャーとかゲーなどの声がしていたのですね。

素焼きのレンガ質のカップに灌がれたお茶はいい香りでした。陶器に唇を当てた時の清涼感、そして啜りこんだお茶の香りが見事です。さすがお茶の国ですね。熱気で悶え苦しんでいた心が、すっとさわやかになったのです。お茶の力ですね。デリーに着くまでの15時間あまりに10杯以上は飲んだと思います。
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